最終学歴が高卒の20代の人が転職を考えるときは、「どんな仕事を選べばいいかわからない」という人もいます。
高卒20代が転職するときに、実は「おすすめできない職業」があります。
おすすめしない職業は、転職してすぐは特に問題ありません。
20代のうちはやっていけます。
お金も稼げます。
ですが、長い目で見るとデメリットが大きくなってくる仕事です。
それでは「高卒20代におすすめしない転職先」を見ていきましょう。
一方的に「おすすめしない」ではなく、メリットとデメリットもご紹介しますね。
フリーター
高卒で就職した企業を退職してフリーターになるメリットとデメリットをご紹介します。
フリーターのメリット
- 正社員より責任が軽い
- 20代中盤くらいまでは、同世代の正社員並みに稼げる
- 仕事が嫌になったら、他のアルバイトに転職できる
- 実家暮らしなら、そこまでお金に困らない
フリーターのデメリット
- 正社員への転職が不利になる、問題の先送り
- フリーターのまま30代に入ったら、正社員への転職はほぼ無理
- 給料が上がらない
- 同世代の正社員の年収からどんどん離される
- 結婚できない
- 会社の経営が悪化すれば、真っ先にクビ
フリーターをおすすめしない理由
何を隠そう、僕自身も4年もフリーターをしていました。
正直、正社員への転職活動は苦労しました。
高卒後にフリーターの期間があると、企業から「フラフラしていた人」と見られることがあるからです。
世間にフリーターの理解はあまりありません。
企業の採用面接のときに「なぜフリーターだったのか?」は必ず聞かれます。
フリーターだった理由を上手に話せないと不採用です。
事務職
事務職のメリット
- 比較的、仕事の時間が読みやすい
- 極端な深夜残業や休日出勤は少ない
- 土日祝が休みの会社が多く、仕事とプライベートを分けやすい
事務職のデメリット
- そもそも募集が少ない
- 事務職はキャリアと見られないことが多く、将来つぶしが効かない
- 事務職は「売上を生まない部署」と考える経営者も多く、人件費を抑えるために給料は低め
- 昇給は少ない
- 事務所内の仕事のため、人間関係が崩れると逃げ場がない
- 事務職はキャリアと見られないため、30代以降の転職が不利
- 企業は事務職の給料を抑えたいため、若い人や派遣社員を採用したい。30代以降の事務職の転職は不利
- 簿記やMOSなどの資格は、ほとんど評価されない
- 「事務職は楽」と思われがちだが、電話対応、書類作成、お茶出し、清掃、ゴミ出しなど何でも屋をしなければならない
- 実は相当高いコミュニケーション能力が必要な仕事。「しゃべるのが苦手」という人に事務職はきつい
事務職をおすすめしない理由
事務職は「長期的なキャリア形成が難しい」という大きなデメリットがあります。
20代で就職や転職した事務職で定年まで働ければ問題はありません。
ですが、今は終身雇用をしているのは超大手企業だけです。
事務職は、30代以降に事務職で転職をする場合に相当不利になります。
長い目で見るとリスクもあり、あまりおすすめできません。
接客や販売
接客や販売は業種がかなり広いですが、おおよそ共通するメリットとデメリットをご紹介します。
接客・販売のメリット
- 自分の好きなものを接客、販売できる。例)服、雑貨、本、家具、宝石、靴など
- お客さんから直接感謝されることもある
- 目標の売上を達成するとやりがいを感じる
- 店によるが、自分の店の商品を社割で買える
接客・販売のデメリット
- ノルマがある
- 会社によっては、ノルマが足りないと自腹で商品を買わなければならない
- 年齢が上がると、店長や本社勤務などに出世するしかない。出世できないならクビ
- 会社によっては、年齢が上がると辞めざるを得ない。例)若者向けアパレルに40代や50代は不釣り合い
接客や販売をおすすめしない理由
接客や販売をおすすめしない理由も「長期のキャリアを作りにくいから」です。
わかりやすく言うと、年齢が上がると接客や販売の仕事が続けることが困難になります。
販売するものにもよりますが、年齢が高い販売員さんって少ないですよね。
仕事ができる人は本社に栄転していきますが、仕事ができない人は辞めていきます。
30代中盤くらいで接客や販売の仕事を辞めた後に、他の仕事に転職するのは非常に困難です。
公務員
これは意外かもしれませんね。
公務員も長い目で見るとデメリットがあります。
公務員のメリット
- とにかく安定している
- クビにならない
- 終身雇用
公務員のデメリット
- 公務員のキャリアは民間企業では評価されないので、35歳以降で公務員を辞めて、民間企業への転職はかなり不利
- 35歳以降で公務員を辞めると転職が不利ということは、どんなに嫌でも定年まで働かなければいけない
- 労働基準法が適用されないため、ブラックな部署もある
- 給料が高いわけではない
- 1日8時間以上の勉強を1年以上続けないと公務員試験に合格できない
- 副業ができないため、給料以上に収入を上げることはできない
公務員をおすすめしない理由
公務員はとても人気のある就職先ですが、デメリットもあります。
公務員は「公僕」とも言われます。
国民の税金が収入源のため、給料は安定していますが、極端に高いわけではありません。
私には、厚生労働省に勤めている友人がいます。
繁忙期になると、二徹三徹は当たり前です。
民間企業だったら超ブラック企業ですが、公務員は労働基準法適用外ですので、我慢しなくてはいけません。
夜遅くに都庁や県庁、区役所や市役所を見てみてください。
夜中にも関わらず電気がついている部屋があるのがわかるはずです。
夜中でも仕事をしている人がいる証拠です。
僕は今まで3000人以上の転職相談に乗ってきましたが、相談が多いのが「公務員からの転職相談」です。
「40代まで市役所職員をしてきたが、職場の人間関係で精神の限界。
辞めたいが、公務員の仕事しか経験がないため、民間企業への転職が難しい」
「30代まで教師をしてきましたが、休みもなく肉体的にも精神的にも限界です。
教師を辞めたいと思っているが、民間企業での実務経験がないため、民間企業への転職は絶望的」
という相談が多いのだそうです。
公務員から民間企業への転職はかなり難易度が高いようです。
一度公務員になったら、どんなに嫌でも定年まで働く覚悟が必要です。
※ただし、航空自衛隊だけは事情が違うようです。大手企業から求人票が来て空自退職者は大手企業に転職しています。
公務員になりたい理由の多くは「安定しているから」です。
子供のころから「消防士になりたい!」とか「警察官になりたい!」と思っていた人もいます。
こうした人たちは「公務員になりたい」とは言いません。
「消防士になりたい」「警察官になりたい」と言います。
ところが、公務員に「安定」を求めている人は、「公務員になりたい」と言う傾向にあります。
言い方は悪いですが、「公務員だったら何でもいい」とも聞こえます。
安定を求めて公務員になった人は、肝心の「仕事内容」まで注意がいかない人もいます。
こうした人たちが「公務員になったけど、仕事が辛い…」「こんなはずではなかった…」と苦しんでいるようです。
公務員はなるのも大変
また、公務員は民間企業とは違い、採用試験があります。
筆記試験5科目、小論文、面接があります。
受ける公務員の職種にもよりますが、1日8時間以上の勉強を1年以上続けないと合格できません。
※厚生労働省に勤めている友人に聞きました。
現在仕事をしている人が、1日8時間以上の勉強時間を確保するのは不可能です。
そうなれば、現在の仕事を辞めて勉強に集中する必要があります。
ですが、この方法で怖いのは「公務員試験に合格できなかった場合」です。
年齢は上がってしまい、仕事をしていないブランク期間ができてしまうため、民間企業への転職は当然不利になります。
公務員試験を受けるのであれば「絶対に合格する!」という覚悟が必要です。
飲食店
飲食店のメリット
- 食に興味がある人は、食に関わる仕事ができる
- お客様に直接感謝される
- お店によるが、まかないが美味しい、食費がうく
- お店によるが、かわいい制服
- 人によっては、コミュニケーション能力がつく
飲食店のデメリット
- 数ある商売の中でも、飲食店は儲からない商売。給料が安い
- 長時間労働
- 休みが少ない
- 休日出勤もある
- 体力仕事のため、年齢的に続けられない人もいる
- 重労働のため、体を壊す人も多い
- お酒を出すお店は、酔っぱらったお客さんのクレームがきつい
- お酒を出すお店は、嘔吐物の処理もある
- お酒を出すお店は、酔っぱらいがからんでくることも
- お酒を出すお店は、酔っぱらい同士のトラブルがあることも
飲食店をおすすめしない理由
飲食店はとにかく重労働です。
50代、60代まで続けるのは難しいでしょう。
体を壊してしまい、他の仕事への転職にも支障をきたすこともあります。
また、職人でない場合、飲食店での仕事はキャリアとは見られないことが多いです。
例えば、30歳まで飲食店のホールや接客で働いてしまい、その後他の職種へ転職するのは難易度が高いです。
長期的なキャリアを作れないという理由から、あまりおすすめできません。
職人
主な職人さんの種類
ここで言う「職人さん」とは、
- 板前
- 寿司職人
- コック
- パティシエ
- 大工
- 美容師
- 伝統工芸品の職人さん
- その他の職人さん
などです。
高卒で職人さんを目指すメリットとデメリットをご紹介します。
職人のメリット
- 手に職がつくため、技術が落ちない限りくいっぱぐれはない
- お客さんに感動を与え、喜んでもらえる仕事
- 厳しい修行を耐え抜くことで、人間的に大きく成長できる
- 理不尽に耐える力がつく
職人のデメリット
- とにかく修業が厳しい
- 仕事ではなく修行のため、労働基準法は適用外
- 休みはほとんどない
- 早朝から夜遅くまで仕事
- プライベートはほぼない
- 一度修行を始めたら、中途半端に辞めると次の転職に不利。「あきらめた人」に見える
- 仕事が専門的すぎるため、職人以外の仕事に転職しにくい
職人をおすすめしない理由
職人さんの仕事は本当に素晴らしいものです。
人に感動を与える素晴らしい仕事です。
だからこそ、中途半端に手を出してはいけません。
修行を始めたら、最後までやり抜く強い覚悟が必要です。
中途半端に辞めると、次の転職をするときに履歴書の印象が悪いです。
「修業をあきらめた人」に見えるからです。
職人さんの仕事は他業種への応用が効きにくい
また、職人さんとは「超専門職」とも言えます。
そのため、他の職業への応用が効きにくい仕事です。
ベテランの職人さんが何らかの理由で職人を辞める場合、他の職業に就くのはちょっと難しいです。
職人は相当な覚悟が必要な仕事のため、本気の人であれば超おすすめです。
ですが、本気でない人には決しておすすめできません。
車の運転手
ここで言う「車の運転手」とは、トラック運転手、タクシー運転手、バスの運転手などです。
運転手のメリット
- 車の運転が好きな人には楽しい仕事
- トラック運転手は1人の時間が長い。1人の仕事が好きな人には良い
- 長距離トラック運転手は、全国の色々なところに仕事で行ける
- 体を壊さない限り、60代でも続けられる仕事
運転手のデメリット
- 交通事故に遭う確率が高い
- 体力が必要な仕事
- 精神力も必要な仕事
- タクシー運転手は危険なお客を乗せることもある
- 免許が必要
- 腰痛になりやすい
- 時間厳守の仕事のため、緊張感が続く
- 人材不足のため、忙しい、休みが少ない
運転手をおすすめしない理由
私の知り合いのお父さんが、長距離トラックの運転手でした。
交通事故で亡くなっています。
遺された家族は保険会社からおりた保険金で暮らしていますが、悲しみは癒えません。
亡くなってしまっては何にもなりません。
車の運転が好きな人にとってはとても良い仕事です。
ですが、時間厳守の仕事のため、十分な睡眠時間をとれずに体を酷使して運転している人もいます。
ちょっとしたミスが交通事故になりかねない、緊張感のある仕事です。
車を運転している時間が長いということは、それだけ交通事故に遭う危険性も高いということです。
長期のキャリア形成もできるため、決して悪い仕事ということではありません。
ですが、命を落とす可能性もある仕事です。
弁護士
最終学歴が高卒だと社会的信用が低いと思って、弁護士など国家資格を取得する人もいます。
弁護士というと、「稼げる仕事」のイメージがある人も多いと思います。
ですが、弁護士は食えません。
高卒20代が弁護士になるメリットとデメリットをご紹介します。
弁護士のメリット
- 社会的信用がある
- 相談者から直接感謝される仕事
- 将来、独立開業も可能
弁護士のデメリット
- 平均年収は200万円台。稼げない
- 試験が難しいわりに、食えない仕事
- 弁護士資格をとっても募集が少ない
- 独立できるが、営業力が必要
- 積極的な宣伝活動ができない
- 競争が激しいため、経験豊富な弁護士には勝てない
弁護士をおすすめしない理由
弁護士の平均年収は200万円台と言われています。
引用元:PRESIDENT Online「弁護士の給料半減! 年収200万~300万も当たり前の悲惨な現実」
いかにも年収が高そうな資格ですが、現実は厳しいようです。
弁護士資格を取得した人の中には、弁護士では食えないため、結局一般企業で働いている人もいます。
アルバイトをして生活している弁護士もいます。
弁護士の年収が低いということは、当然人を雇う経済力のない弁護士事務所も多いです。
弁護士で食っていこうにも、就職先がない弁護士も多いです。
就職先がないなら独立もできますが、独立するには営業力が必要です。
弁護士事務所を開業したからといって、相談者がくるわけではありません。
そもそも弁護士の仕事は「人のトラブルが飯のタネ」です。
そのため、積極的な営業活動はできません。
「そろそろ離婚しませんか?」
「訴えたい人いませんか?」
と営業するわけにもいきませんよね(^^;
弁護士法では、弁護士の広告宣伝活動も厳しく規制されています。
2017年にアディーレ法律事務所さんが、過払い金請求の広告宣伝をやりすぎて、2ヶ月の業務停止になっています。
弁護士はなかなか厳しい商売ともいえるでしょう。
最終学歴が高卒だと「何か国家資格をとりたい!」と思う気持ちはわかりますが、取る資格は慎重に検討しましょう。
税理士・公認会計士
国家資格をとりたい人に、税理士や公認会計士も人気です。
税理士や公認会計士のメリットとデメリットもご紹介します。
税理士・公認会計士のメリット
- 社会的信用がある
- 毎月企業からの顧問料をもらっている事務所が多く、経営が安定している
- 給料が安定している
- 経験を積めば、将来独立開業も可能
税理士・公認会計士のデメリット
- 法人決算が重なるときや、確定申告時期は激務
- 仕事というよりは修行のため、早朝から深夜まで働く事務所もある
- 事務所によっては、職員が税理士・公認会計士の資格をとって独立されるのを嫌って、試験前に大量の仕事を与えて勉強させないように邪魔してくる
- 独立開業しても営業力がなければ食えない
税理士・公認会計士をおすすめしない理由
税理士や公認会計士は誰もが知る国家資格です。
社会的信用があるため、人気の資格です。
税理士や公認会計士を目指すときは、働きながら資格を取るのが一般的です。
ただし、税理士事務所は税理士試験科目が5科目中2科目以上に合格していないと就職が難しい事務所もあります。
会計事務所は商業高校卒や簿記の資格を持っていないと就職できない事務所もあります。
税理士や公認会計士の資格は「足の裏の米つぶ」と言われているのを知っていますか?
「取らないと気持ち悪いけど、とっても食えない」という意味です。
もっとわかりやすく言うと「税理士や公認会計士の資格は取らないと気持ち悪いけど、とっても食えない」という意味です。
税理士も公認会計士も合格の難易度が高い資格ですので、一度志したら取ってしまいたいものです。
ですが、税理士や公認会計士の資格を取得して独立開業しても、営業力がなければ仕事がとれず食っていくことができません。
本気で税理士、公認会計士を目指したいという覚悟がある人にはおすすめの良い資格です。
ですが、中途半端な気持ちで望むには厳しい仕事のため、おすすめできません。
ちなみに、司法書士や行政書士も食えない
ちなみに、同じ士業で司法書士、行政書士も食えない資格と言われています。
資格を取得しても募集が少ないことや、独立開業しても営業力がなく食べていけない司法書士や行政書士が多いです。
高卒の転職活動方法
「結局、どの仕事を選べばいいかわからない…」という人は、高卒の転職に強い転職エージェントに相談しましょう。
転職のプロなので、1人で悩むよりはるかに効率的に転職できます。
高卒の転職に強いエージェントは「ウズキャリ」です。
- カウンセリングの時間が業界トップクラスなので、あなたの話を聞いてくれる
- ブラック企業は紹介しない
- 未経験職種への転職も強い
などがウズキャリの強みです。
ウズキャリのホームページを貼っておくので、相談してみてください。
↓↓↓
まとめ
いかがでしたか?
高卒20代の転職で「おすすめしない転職先9選」をご紹介してきました。
少しでもあなたの転職活動の参考になれば嬉しいです。
僕は転職を考えたときに、目先の転職だけでなく、長い人生を見すえた人生設計が重要だと思いました。
仕事の目的が、ただ稼ぐことだけなく、自分の生きがいや、自分に自信を持てることになったら良いと思うんです。
だから、本当に良い転職って、転職先の企業の条件だけじゃないと思うんです。
「自分はどんなことをしたいのか?」
「自分はどんな人生を送りたいのか?」
を考える良い機会だと思うんです。
あなたはどう思いますか?